VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

この美しい人たちについてぜひ語りたい 男のイマジネーション

仕事相手である彼女が、陽射しに春の兆しをはじめて感じたという冬の日の夜。店で二人、グラスを傾けつつ、ぼくの「小説のなかに出てくる女性」についての話題になる。書いているのはそれぞれのストーリーの性質にふさわしい女性には違いないが、その姿かたち、歩き方などには共通するものがあると彼女は言う。それがぼくにとっての理想の女性かと問われれば、確かにそうかもしれない。それを通俗的に答えるとするならば……。

底本:『JJ』一九八一年四月号

このエントリーをはてなブックマークに追加