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評論・エッセイ

国道を西へむかう会話

三十八歳の母親は、離婚したばかりだ。それまで住んでいた家は夫から彼女への、慰謝料にばけた。夫が慰謝料を払わなければならないような離婚だった。母親と十七歳の娘は、母親の同性の友人のもとへ、身のまわりの荷物とともに、ステーション・ワゴンで向かっていた。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『「彼女」はグッド・デザイン』太田出版 一九九六年

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