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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

スティッキー・フィンガーズ

「私、明日、誕生日なのよ」「いくつになるんだ」「十九」「お祝いをしなきゃ。哲雄がいなくて残念だな」「そうねえ」「海を見にいこう」「どこの?」「外房だな」「わ、素敵」「俺のオートバイと哲雄の車と、どっちがいい」「車」――ふたりは、部屋を出た。正彦と哲雄の部屋は二階にある。ふたりは階段を降りた。

底本:『コーヒーもう一杯』角川文庫 一九八〇年

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