ミネストローネ
『人生は野菜スープ』でもお馴染みのミネストローネがフリーズドライになって登場するのが片岡義男の現在。
「あなたしかいないの」と友人の野沢麻里に頼まれて64年シヴォレー社製のインパラを買い取った北川綾子は、特に車に興味があるわけではありませんでした。ところが、その直後、八年勤めていた出版社を辞めようとした綾子は、直属の上司である編集長から、九州に住む二人の作家の現地での担当編集的な仕事を頼まれ。結果的にインパラは大活躍することになります。友人が涙を流して手放したインパラは、九州の南へ向かい、さらに二人の作家と地元のスーパー、彼女のために用意された家の間を往復します。自分に起きた小さな出来事から、思いもかけぬ展開を見せる近年の片岡義男作品…