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小説

マーマレードの朝

飲んで、移動して、また飲んで、移動して、やがてマーマレードの朝。

クラブのホステスと、たまたま店に来た一介のサラリーマン。
決定すること、依頼することが女の役目であり、
引き受けること、運転することが男の役目だ。
女はアルコールを、飲む、飲む、飲む。
男は部屋に連れて行くこと、待つことくらいしかすることがない。
時間が経過し、女の懸案が済んで、正月五日。
夜ではなく、アルコールはなく、
ベーコンエッグとマーマレードを塗ったトーストと
ささやかな出発の朝が来る。

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