VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

夜行ならブルースが聴こえる

寝静まった時刻のサイレント・アクション。目撃者は誰もいない。

パッとしないバンドのリード・ギタリスト。
彼につきまといながらも、彼という存在を、彼の音楽を
正当にこきおろす美人の女。
ドサまわりのような形で夜行に乗って北へ向かう二人をのぞいて
乗客はみな寝てしまったようだ。
その時、唐突にアクションがやってくる。
たまたま手にした道具によって。あっけなく。争いもなく。
誰も見ていないし、聴いていない。
この列車の中で、ブルースを聴いているのは果たして誰か?

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