追憶のグレープフルーツ
【短編小説の航路】フリーランスのライター、早坂結城を主人公に彼が生きる十年間を追った物語です。
フリーランスのライター、早坂結城を主人公に彼が生きる十年間を追った物語です。短い小説ですが、物語の中では十年の月日が流れ、二十四歳で餃子二人前と和布スープとライスを注文し、バーではシングルモルトのウイスキーをグレープフルーツジュースをチェイサーにして飲んでいた彼は三十四歳になります。それだけの月日の間には、様々な形での出会いがあり、それぞれの関係が生まれますが、その記憶の中の多くの場面には、グレープフルーツジュースが登場するのです。そして十年の変化も色んな場所や人に起こり、また物語が始まります。