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小説

例外のほうが好き

ほとんど男二人の会話と、女二人の会話だけで展開する物語の中に、多くの内容が詰め込まれています。それ自体も「例外」であるという仕掛けなのかもしれません。

駅のカフェで、二人の男性が話しています。一人は、結婚を決めたばかりの25歳、もう一人は、彼の大学時代の先生で、結婚について話しているのです。結婚相手の素晴らしさを話し、相手の結婚生活を聞き、結婚相手が先生の妹と親しいということが分かります。ミステリ作家である妹の「渋田の闇」という小説を手伝ったのがその女性でした。場面が変わり、彼の結婚相手と、先生の妹のミステリ作家がやはり彼女の結婚について話しています。そこから、かつての渋谷の街を彼女たちで再現した話へと移っていきます。やはりこれも街の物語なのです。

底本:『ミッキーは谷中で六時三十分』講談社 2014年5月
初出:「群像」2014年3月号

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