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小説

サーフボードの運命

1つのサーフボードが記憶していること、彼女に思い出させること

15歳の誕生日に、忽然と現れた赤いサーフボード。
波乗りを知っている人にはなじみの、昔のロングボードだ。
そこに刻まれた傷は時間そのものであり、記憶そのものだ。
今ではもう失われてしまった、海岸に出て行くための
お気に入りの道順までも、そのサーフボードと共にある。
そして、父親の禁を破って、夜の海に出た17歳の不思議な体験。
それらを今、37歳になった彼女がもう一度、反芻する。
自分の生きてきた時間が、海のその地点が、いま、ここにある。

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