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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

時間はここでもまっすぐに突っ走った

「今日、秋のよく晴れた日、僕ともうひとりの僕は、都内のJR駅で午前中に待ち合わせをし、ふたりで写真を撮って歩き、午後3時30分のいま、新宿のホテルのコーヒー・ショップで、アメリカン・クラブハウス・サンドイッチを食べてコーヒーを飲んでいるのです。ふたりとも今日は遅い昼食です。使った時間に対して収穫はあったのですが、気持ちを決定的にマイナスの方向へ引っぱっていくような収穫ばかりでしたね」
「プラスに転換するのは大変だね。待ち合わせの時間より少し早く到着したので、僕はあの駅の周辺を歩いてみたけれど、あの雑然とした落ち着きのなさ…

底本:『ノートブックに誘惑された』角川文庫 1992年

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