VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

LAノワールの闇を歩こう

 僕が持っているペイパーバックの山はいくつかに分かれている。そのうちのひとつはミステリーだ。密室殺人の謎を老婦人が解いたりする古典的なミステリーには興味がないのだが、それ以外ならすべて買うことにきめて買い続けてきたら、ミステリーのペイパーバックの山は険しい山脈のようになってしまった。その山脈を、つい先日、僕は踏破した。
 ミステリーの山脈のなかから、カリフォルニアのLAを舞台にしたものを選り分けて別の山脈にしてみよう、と思ったからだ。なぜそんなことを思ったか、その理由は単純なものだ。LAを舞台にしたミステリー小説の山のな…

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