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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

古書の世界では東京と江戸、戦後と戦中がフラットにつながっている

三千冊の古書の題名が並ぶ目録
 駿河台下の交差点の北東側、明大通りから入った道に小川町郵便局があり、確かその左隣に、東京古書会館という建物がある。ここでは古書の展示即売会がおそらく毎月、いくつもおこなわれている。
 そのうちのひとつが、古書市のたびに目録を発行していて、僕のところにも届く。表紙と裏表紙を別にすると六十二ページで、一ページには二段組の小さな活字で五十冊ほどの古書の題名がならんでいる。だから六十二ページだと三千冊を越える。三千冊の古書を一冊の軽い目録として手のなかに持てる。
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底本:『現代ビジネス』講談社 2017年8月20日

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