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書評

まことの人生の喜怒哀楽はどこへ消えた?

〈書評〉小沢昭一著『写真集 昭和の肖像〈町〉』

「写真館の息子・小沢昭一が撮った、路地裏、都電、浅草界隈、色町、旅先、看板……。町と人の表情、にじむ昭和の心。」と、帯に印刷してある。『写真集 昭和の肖像〈町〉』は、このとおりの本だ。
 小沢昭一は一九二九年生まれだ。写真は早くから撮り始めていたとして、雑誌や本のかたちで世に出ていったのは、一九七一年あたりではなかったか。一九七四年には彼の撮った写真を集めた本が話題になった。二〇一二年に他界するまで、俳優として活躍するかたわら四十年にわたって、…

底本:『週刊朝日』2014年3月14日号

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