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片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

「ワンス・アポナ・タウン」

『ワンス・アポナ・タウン』というノン・フィクションは、二〇〇二年に刊行されたボブ・グリーンの作品だ。次の年にペーパーバックになったのを、僕は今年の春に手に入れた。ワンス・アポナ・タイム(昔々、あるとき)という定型の言いかたを、軽い気持でふともじると、ワンス・アポナ・タウン(昔々、ある町で)ともなるのだという感銘を、東京の書店の棚でこの本を見つけたとき、僕は楽しんだ。
 昔々とは、アメリカがヨーロッパと太平洋で戦争をしていた、一九四十年代前半を意味している。そしてその昔々の、ある町とは、ネブラスカ州のノース・プラットだ。当…

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