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片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

「ヨコタ・オフィサーズ・クラブ」

 アメリカの軍事力を、攻撃力のきわめて高い数多くの基地という、もっとも端的なかたちで国内に持ちながら、戦後の日本は独立し、国際社会へ復帰した。その戦後日本の憲法にうたわれている、戦争の放棄という条項のかわりに、同盟国であるアメリカの軍事力を、リアリズムそのものとして、日本は自国の内部に持ったわけだ。
 世界史上にも類例のない、とんでもないと言うならそのとおりのありかたが、すでに半世紀を越えて続いている。
 日本国内にあるいくつもの米軍基地。アメリカの軍隊によるさまざまな活動がそこでおこなわれ、総計すると何百…

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