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評論・エッセイ

昭和二十一年、津々浦々の民主主義

 昭和二十一年九月号の『映画の友』の表紙は、バーバラ・スタンウィックだった。彼女の顔の部分だけを僕が複写したのが、次の写真だ。バーバラ・スタンウィックのポートレートが、日本の雑誌のページにカラー印刷されるのは、久しぶりのことだろう。十年ぶり、二十年ぶりは言うにおよばず、ひょっとしたら、四十年ぶりくらいにはなるかもしれない。

 当時の日本全国、津々浦々の書店の店頭に、この表紙の『映画の友』が最新号の雑誌としてならんだ光景を、僕はなんとか思い描こうとする。僕はその頃すでにいたが、書店のある街角の光景を記憶する…

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