フロント・グリルと僕の関係
一九六十年代のなかばから後半にかけての時代の、シヴォレーやフォードなどごく庶民的な乗用車のフロント・グリルがいくつか、ここにある。ひとつずつ観察してやがて頭のなかにまとまる感想は、かつてこういう時代があった、ということだ。
普通の乗用車のフロント・グリルの造形として、こういうデザインは悪くないと僕は思う。僕としてはたいそう好きだ。いちばん好きだ、と言っていい。
何本かの横の線に対して、効果的に交差する垂直の線。そしてそれらぜんたいをひとつずつまとめる、両端のヘッド・ライト。よくまとまっ…
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