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評論・エッセイ

南日本新聞のあれやこれや

僕におけるもっともらしさ
 かつて南米のペルーから日本へ数多くの男性たちが仕事をしに来ていた。彼らの姿をいまはまったく見ない。日本の失われた二十年の始まりとともに彼らも帰国し始めたなら、彼らが日本を去り始めてすでに二十年が経過したことになる。残念でならない。いつも乗る小田急線という電車のなかで、かつては彼らをたくさん、頻繁に見かけた。僕が住んでいるところから電車でひと駅の町田という町でも、彼らは常に二、三人連れで歩いていた。
 後ろ姿だけでもいいから彼らを写真に撮っておけばよかった、といまの僕はしきりに思う…

底本:『南日本新聞』2016年4月3日〜2017年3月19日