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評論

ほんの一瞬がポートレートとして後世に残る

 リチャード・フォードの『ワイルドライフ』は買ってあった。探したらすぐに見つかった。一九九一年にロンドンで刊行された、フラミンゴというペイパーバック・シリーズのうちの一冊だ。ほかにさらに二冊あった。買ったからには読もうと思ったのだ。読まないままに三十年近くが経過してしまった。『ワイルドライフ』を僕は、さっそく読み始めた。ジャネットとジェリーによるブリンソン夫妻のひとり息子で、中学生のジョーという少年の一人称で語られていく物語だ。たいへんいい小説だ。読みながらひとりで僕は感心した。半分ほど読んだところで、いま書いているこの文章のために、…

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