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評論・エッセイ

そのうしろに浅丘ルリ子が立っている

 赤木圭一郎が日活に残した数少ない主演作のなかに、「拳銃無頼帖」という副題を持ったシリーズ作品が四作だけある。四作だけとは、彼の早すぎた死によって四作で終わったから、という意味だ。この四作のうち、最初の二作、『抜き射ちの竜』と『電光石火の男』に、浅丘ルリ子は赤木圭一郎と主演している。このシリーズ四作を材料にして、僕はかつて一冊の本を書いた。『一九六〇年、青年と拳銃』という題名の本だ。この本の表紙に、おそらくは『抜き射ちの竜』の宣伝用にスタジオで撮影された白黒の写真を、僕は使った。赤木圭一郎は拳銃を構えて一世一代のポーズを取り、そのうし…

底本:『女優 浅丘ルリ子』キネマ旬報社 2014年5月

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