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小説

彼女を思い出す彼

今はもうない過去に向けて放った一言を現在、違う相手が受け止めること

会社の同僚である男女。
恋人同士ではないがあいまいな親密さがあり、
それは自分の部屋で夕食を食べよう、という
女性側からの提案でもうかがい知ることができる。
そしてそこに向かう道すがらは
男の側に、痛みとして残っている過去を思い出させるには十分だった。
男は現在にいながら過去を見ていて、
ふと過去に向かって言葉を発してしまう。
そしてその言葉を受け止めるのは過去ではなく現在であり、
そこにいる同僚の女性だ、というこのラストシーン…

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