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エッセイ

東京のハードな日々

 残暑はとっくに終わっている季節の、しかしひどく暑い晴天の日、水曜日の午後三時すぎ。東京・内神田のたしか二丁目、その名も出世不動という道を、JR神田駅の南口からさらに南へ下がった地点にあるJRの高架下に向けて、僕はひとりで歩いていた。
 信号のない四つ角にさしかかった。横断歩道を渡っていく僕の目にとまったのは、僕が渡っていこうとしている向こう側の、文字どおり四つ角の、道路に沿った歩道がカーヴを描いている小さな三角地帯とも言うべき、歩く人たちの動線からはずれた邪魔にならないところで仕事をしている、ひとりのサラリーマンの姿だ…

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