VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

オートバイに乗る人

人事は荒れても、秋はきょう、この日から始まる

ひどい仕打ちであることは間違いないにしても
それをこんなふうにやってのけることには
やはり小説としての爽快感があると言うべきだろうか。
どちらからともなく仕掛け、あいまいに合意し、
到達しようとしたところで男はさっと身を翻す。
オートバイに乗る男は身軽だ。
相手の中にある自信、傲慢を打ち砕くこと。
そのあとに乗るオートバイ、そこで感じる秋の最初の一日の快適さ。
本当にひどい男であっても、その快適さは真実だ。

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