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小説

寝顔やさしく

一緒に眠るよりも良いこと

思えば、寝顔ほど無防備なものもまたとないのかもしれない。
東京駅にいて、眠たくてたまらない、となれば普通は一刻も早く勝手知ったるわが家へ急行するはずだが、それよりももっと別の場所で眠りたい、となればその場所の主との関係の親密さは明らかだ。
ぐっすりと眠ったあとには、贈りものが待っている。
他にはない、最上のおだやかさがそこには待っている。

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