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小説

カーニヴァルの女

手で触れることのできる夢に、身を投じた女の人生。

どこからかやってきて、いつのまにか消えていく。さまざまな種類の流れ者が登場する短編集『ロンサム・カウボーイ』の最後を飾る一編は、カーニヴァルの中に生きている女の物語。日々の中にひとときだけ挿入されるカーニヴァルという非日常がシャーリーンにとっては逆に日常の住処になっている。なぜなら、彼女にとっては輝くことだけが人生だから。彼女もまた、さすらうカウボーイ。ベッドルームのジュークボックスにはただ1枚、エルヴィス・プレスリー『ロンサム・カウボーイ』のドーナツ盤だけが入っている。

底本:『ロンサム・カウボーイ』晶文社 2015年改版
初出:「宝島」1975年3月号

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