VOYAGER

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小説

サマータイム・ブルー

待つ女のままで、いてなるものか。

男はロード・ライダー。
夏のあいだ、あちこちの小さな町を気ままに走り抜けている。
一緒に海へ行くはずだった、と言うのは女。
男は毎日公衆電話から電話をかけ、必ず女は自宅にいる。
秋風が吹いたら東京へ帰る、と男が言う言葉は、はたして本当か? 待つことしかできないのか?
そうではないだろう。
ラスト、家にいてもできる「待つこと」以外の生き方を、彼女はようやく見つける。