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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

CDを積み上げる 貝殻一郎というペンネーム

 僕はいま『一昨日』という題名で短編小説を書こうとしている。主人公は西野恵子といい、彼女は作家になろうとしている。三十歳になったばかりの彼女は、作家にもなったばかりだ。最初の短編集が刊行されて半年、という状況だ。彼女にはイタリーの好きな女性の友人がいて、いつもはイタリーにいるが、たまに日本に帰ってくる。帰ってくるとかならず会う。先日も彼女と会った。そして、一昨日来ゃがれ、という言葉を笑いながら教えてくれた。
 一昨日は「アルトロイエリ」、という。使うときにはエルの字がひとつ入るから「ラルトロイエリ」となり、来い、という意…

『図書』二〇二二年九月号

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