街へ出て 僕たちが街で見てきた絵
谷内六郎さんという画家の仕事でもっとも広く知られたのは、『週刊新潮』の表紙絵だろう。一九五六年の創刊号から一九八一年に谷内さんが死去するまで、二十五年間、じつに一千三百三点の表紙絵を、彼は描き続けた。
この二十五年間は、僕がまだ子供だった頃から、四十代になってすぐの期間に、またがっている。子供の頃から中年になるまで、どこであれ街へ出ればほとんど毎日、書店や駅周辺の新聞雑誌の屋台で、『週刊新潮』の表紙絵として、僕は谷内さんの絵を見てきた。その週の号の発売日にまず最初に見て、多いときには次の号が店にならぶまで、毎日、しかも…
『THE NIKKEI MAGAZINE』No.88 二〇一〇年八月二十日
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