先見日記 穂高へいってきた
JR御茶ノ水駅の聖橋口から御茶ノ水橋口にかけて、線路そしてプラットフォームに沿って、そこよりもずっと高い位置に道があり、線路側の歩道に店舗が軒をつらねてならんでいる。そのなかに穂高という喫茶店がある。ふたたびある、といまは言うべきか。
僕がフリーランスのライターをしていた20代の前半から後半にかけて、仕事場と遊び場、それになかば住処をも兼ねていたのが、お茶の水から駿河台下そして神保町にかけての一帯だった。いろんな編集者と会っては打ち合わせをして仕事をもらい、喫茶店をはしごして原稿を書き、食事をし本を買いめぐり玉突きを…
『先見日記』二〇〇四年十一月二日
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