先見日記 1954年の日本
1954年4月のロバート・キャパは日本にいた。最期の地となったインドシナへは日本から渡ったのだった。4月13日、キャパはパリからエール・フランスのロッキード・コンステレーション機で、羽田に到着した。アメリカ軍が接収して使用していたハネダ・エア・ベースは、日本に返還されて東京国際空港になったばかりだった。キャパとおなじ飛行機で歌手のジョセフィン・ベーカーが来日したという。
『カメラ毎日』という写真雑誌が創刊される直前のことで、日本におけるキャパはこの雑誌の創刊のための、いわゆる目玉企画だったようだ。日本に滞在していた全日…
『先見日記』二〇〇四年十月十二日
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