先見日記 均一な全体から千差万別な個々へ
明治時代の日本がその国策とした、富国強兵や殖産報国などの方針は、お国のために、という価値観のなかに、原則として国民の全員を、囲い込むことだった。否応なしに誰もが、同一の価値観を奉じる均一の労働力にされた。この明治が終わるとすぐに、日本は第一次世界大戦に参戦したり、中国に出兵したりという軍事行動を始めた。明治時代はそのあとに来た戦争の時代を準備したのだった。
戦争の時代は太平洋戦争に敗戦する1945年まで、30年以上も続いた。そして戦後という時代が始まった。過去は悪としてすべて否定され、突然にあたえられた民主主義のなか…
『先見日記』二〇〇三年一月二十一日
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