「ファット・ガール」
アメリカの本を読むのが子供の頃から好きな僕は、これまでじつにいろんな本を読んできたけれど、こんな本は初めてだ。題名は、『ファット・ガール』という。でぶ女、と仮に日本語にして、ファット・ガールの感じが出せるかどうか。このなんとも言いようがないほどに端的な題名に、ほんとの話、という副題がつけてある。著者であるジュディス・ムーアという女性が自分の半生を振り返り、肥満体の女として体験してきた日々について語っている。
ジュディス・ムーアは一九四〇年代の初めに生まれた人だという。とするといまは六十代か。一九八四年に『サンディエゴ・…
『Free & Easy』二〇〇六年十一月号
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