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評論・エッセイ

アメリカン・マッスル 愛しのファストバック

 アメリカらしいかたちをした物が急速に消えつつある。アメリカらしさ、つまりアメリカン・マッスルを一身に体現するような色づかいと造形の物が、一九八〇年代から消え始めた。いまも残っているものと言えば、星条旗くらいのものではないか。
 世界は表面的にはひとつになりつつある。各国が政治や経済その他の分野で、これまでになく緊密な相互的な協力の関係のなかへ、深く入っていく。各国がおたがいにいろんな影響をあたえ合う。その結果として、どの国にもおなじような物が増えていく。さらにその結果として、けっしておなじではない宗教や文化の深層が、あら…

『Free & Easy』二〇〇四年七月号

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