片岡義男のぼくのお気に入り道具たち 懐かしい調べが秋に溶ける ホーナー/ブルース・ハープ
ステージの上の高いストゥールに彼女はすわっていた。ストゥールの下のほうに、ストゥールの支柱をリング状にとりまいているスティール・パイプのステップがあり、モカシンのような簡単なつくりの靴をはいた両足を、そのステップの上に居心地よさそうに乗せていた。
アメリカン・インディアンないしはメキシコふうな模様の入った、ゆったりとしたロング・スカートの下で、両脚を大きく開いていた。存分な長さのある脚の、両ひざのシャープな雰囲気や太腿の精悍な量感が、スカートごしにはっきりとうかがえた。
そのスカートによく合った、長袖…
『BE-PAL』一九八四年十一月号