ロンサム・ジョッキー 24 バイクで飛ばしても追いつくことのできない青春
トリップ・カウンター・ブルース
克彦と満昭は、当時17歳の少年だった。ふたりは、信州の盆地の、小さな町に住む高校生だった。
ふたりとも、オートバイが好きだった。16歳でナナハンの免許をとり、克彦は3シリンダーの500、そして満昭は500の2シリンダーに乗っていた。
夏休みのある日。克彦と満昭のところに、それぞれ、一枚の葉書が、届いた。絵葉書だった。初夏の信州の高原とその上にあるまっ青な空、白い雲をいかにも絵葉書的にとらえたものだった。
差出人は、ふたりがかよっていた…
『ミスター・バイク』一九七八年四月号