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評論・エッセイ

片岡義男のアメリカノロジー 『ハンク・ウイリアムズと共にすごす夕べ』とジム・オーエンという男の話。

 ハンク・ウイリアムズが死んだのは、1953年の1月だった。今年でもう25年になるのだ。
 1952年のクリスマスには、ハンクは、オードリーと離婚したあとの2番目の奥さん、ビリー・ジーン・エリシュマーといっしょに、かつて少年時代をすごしたモンゴメリーの町に帰っていた。
 調子は、あまりよくなかった。酒およびアッパーやダウナーで体をこわしていたし、離婚による精神的な痛手は大きく、しかもグランド・オール・オプリィは、くびになっていた。たびかさなるすっぽかしや、酔っ払ってひどいできばえのステージをつづけたおかげだった…

『POPEYE』一九七八年五月二十五日号

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