片岡義男さんが書いた小説の「きっかけ」に立ち会ったことがある。『くわえ煙草とカレーライス』という単行本に『ピーばかり食うな』というタイトルの短編小説が収められている。ちなみにこのサイトでも読むことができる。あのタイトルになった「ピーばかり食うな」は、僕が妻に言った言葉だ。
あるとき片岡さんから美味しい柿ピーをふた袋いただいた。食卓に置き、後日の楽しみにしていたのだが、次の日帰宅すると柿ピーの袋は開けられていて、中身を見ると柿の種しか残っていない。ピーナッツはすべて食べ尽くされていた。これではもはや柿ピーではない。単な…