ぼくは片岡さんが大好き|第31回|僕の日本語は六十五点 ウォッチリストに追加 今すぐ読む 「僕が日本語の能力試験を受けたとしたら、六十五点くらいだろうね」 片岡義男さんはそう言う。 「ご謙遜でしょう」 僕は応える。 「いや、そんなもんでしょう。六十五点は合格スレスレだろうね。でも文章を書くときにはそのほうがいいかもしれないと思っているよ」 「どういうことですか」 「言葉なんて使いまわしなんだから、そんなにたくさんは必要ないでしょう。実際にたくさんの文章を書いていたけれど、僕自身が発明した言葉なんてひとつもないわけだから。だったらいっそ六十五点のまま… 関連作品 前の作品へ ぼくは片岡さんが大好き|第29回|片岡義男的な封筒 次の作品へ ぼくは片岡さんが大好き|第30回|怪猫片岡騒動
ウォッチリストに追加 今すぐ読む 「僕が日本語の能力試験を受けたとしたら、六十五点くらいだろうね」 片岡義男さんはそう言う。 「ご謙遜でしょう」 僕は応える。 「いや、そんなもんでしょう。六十五点は合格スレスレだろうね。でも文章を書くときにはそのほうがいいかもしれないと思っているよ」 「どういうことですか」 「言葉なんて使いまわしなんだから、そんなにたくさんは必要ないでしょう。実際にたくさんの文章を書いていたけれど、僕自身が発明した言葉なんてひとつもないわけだから。だったらいっそ六十五点のまま…