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小説

イチゴという名の女のこ

 イチゴという名の女のこは、とても素敵だ。気だてがいいだけでなく、姿や顔も、なかなかのものだ。
 気だてについてはこの話を読んでもらえばわかるとして、姿かたちだが、なにしろまだ十七歳になったばかりなので、よけいな脂肪なんか、どこにもついていない。
 ほっそりとしていて、しかもそのほっそりが、瑞々しくはりきっているのだ。
 どんなにさがしても、シワはない。体は、しなやかだ。女としての色気など意識のはじにものぼっていないけれど、身のこなしは、ほんのちょっとした小さなところまで完璧に女だから、じっと見てい…

『別冊問題小説』一九七六年冬季特別号

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