彼と彼女の信頼関係 午後三時のハイヒール プレゼント、ヴィデオ・テープ、そしてプールの半日。
曇った暑い土曜日の午前中、部屋にひとりでいた彼のところに郵便物が届いた。彼女からの封書があった。封筒を切り開き、折りたたまれた三枚のレター・ペーパーを取り出し、彼女がボールペンで書いてくれた文面を、彼は読んだ。
『誕生日が来ますね。おめでとう、と私は言います。あなたがいてくれて、私はどれだけ助かっているか、わかりません。あなたは私の恋人であると同時に、私を救ってくれている、素晴らしい人です。誕生日のプレゼントを、別便で送りました。好いて使っていただけるとうれしいのですが、とにかくそれはあなたのものです。二、三日うちには届…
『週刊宝石』一九九二年九月三日