VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

書評

占領時の日本語観を伝える貴重な証言

『米陸軍日本語学校』
ハーバート・パッシン著 加瀬英明訳 ちくま学芸文庫 二〇二〇年

 太平洋戦争のさなか、アメリカの陸軍と海軍とは、日本語の修得を目的として、学校を設立した。日本語というものを、真正面から、国家的な課題として、真剣にとりあげた。
 おなじ時期の日本では、英語は諸悪の根源とされ、英語の使用を全面的に禁止しようとした。英語は敵性語と呼ばれ、1942年、現在の『ジャパン・タイムズ』に、英語廃止論について掲載された。それまでのベースボールは野球となり、ストライクは、よし一本、…

『週刊朝日』二〇二〇年七月十日号

このエントリーをはてなブックマークに追加