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評論・エッセイ

すべてが片仮名語になった国とは

 人々の生活のなかに、カタカナ語は無数にある。もとは外国の言葉であるそれらのカタカナ語なしには、もはや人々の生活はなりたたない。しかし人々は呑気だから、そんなことは考えてみたこともない。カタカナ語を、思いつくままに書いてみよう。
 アパート。オートバイ。ガソリンスタンド。カメラマン。クーラー。サラリーマン。ポテトフライ。リンス。レンジ。デパート。シュークリーム。
 まだまだある。とてもこんなものではおさまらない。だいじょうぶですか、という言葉をいまの人はさまざまな状況で気楽に使う。僕もここでおなじ言葉を使いたい…

初出:『サンデー毎日』二〇一八年十二月九日号(「時代に翻弄されるコトバたち」4「意味と気持ちをあらわすカタカナ語の効用」)
底本:『言葉の人生』左右社 二〇二一年

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