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小説

彼女が風に吹かれた場合

私はいつも幸せ

片岡義男の小説においては、不美人が登場しないのと同じように、嫉妬が登場しない。
いや、登場人物たちはその感情を宿してはいるはずなのだが、その痕跡は見事に消されている、
あるいは次なるアクションによってどこかへ飛んでしまう。
女と男は、それぞれの時間、確実に1対1の関係にひたりながら、その外側に別の1対1を持つ。そのことを隠しもせずに。
結婚も恋愛も出産も、陰りを持つことはない。
そこにはいつも風が吹いている。

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