アロハ・オエ
アイキャッチ画像
購入はこちら
Voyager Amazon サポータになる
山の向こうから、通り雨の雲が張り出して来た。青空を幅広く灰色にふさぎ、雲は山なみに沿って走った。砂糖キビ畑に向かって斜めに降る雨が、銀色に見えた。雨雲がカメハメハ・ハイウエイを横切った。僕の車は雨のなかを走った。ワイパーのスイッチをオンにした。ハイウエイに出て来てまだ二十分とたっていないのだが、雨はこれで三度目だ。北海岸はいま冬の通り雨の季節だ。出て来たときとおなじように素早く、雨雲は去った。
立ち読みする

現れては消えるのが歴史。 その歴史を映像で見る時代にわれわれは生きている。
Share on LinkedIn
LINEで送る
Pocket

片岡義男の処女作「白い波の荒野へ」を起点として
連作のようにして書き継がれたうちの一篇。
「いま」を象徴するハリウッド資本による最新のクリエイティヴと
ハワイの歴史上、何度も繰り返された凶暴な大きな波が交錯する時
そこにエネルギーの炸裂と、人々の興奮と、
そして自ら志願して「向こう側」に消えていく人々が出現する。
もう、消えてどこにもない波を、サーファーを、人々はスクリーンに見る。
ラスト、最も人口に膾炙した曲「アロハ・オエ」が聴こえてくる。