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評論・エッセイ

国語の勉強は、実はほんとうの社会科の勉強だったという話

 この教科書を手にするのは、いったい何年ぶりだろう。じつになつかしく、複雑な気持がする。厚い紙にクロスを貼って、がっちりと仕上げた造本だ。すこし古ぼけているけれど、昔のままだ。FUN WITH ENGLISH というタイトルの、国語の教科書だ。小学校1年生のときのものだったと思う。このタイトルを、日本語になんと訳せばいいのだろうか。「英語の楽しみ」「楽しい英語」「英語で楽しく」「英語は楽しい」と、いろんなふうに言えそうだが、どれもみなピンとこない。FUNという簡単な言葉にもいろんなニュアンスがあり、FUNはFUNとして体験的におぼえる…

底本:『ブックストアで待ちあわせ』新潮文庫 1987年

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