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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

これがクリスマスの物語

 クリスマス3日前のアメリカ本土に僕は到着した。もっと早くに来る予定でいたのだが、途中のハワイでのんびりし過ぎてしまった。
 サンディエーゴの空港に着陸するとき、PAをとおして乗客に挨拶する機長が「良きホリデー・シーズンを過ごされますように」と言ったのをスタートに、クリスマスの当日まで、その年の僕はなぜかほとんどの人から、「メリー・クリスマス」と言われた。
 いまのアメリカふうに、殺風景であることを越えて怖さを感じさせる雰囲気のガス・ステーションで、自分でステーション・ワゴンにガソリンを入れたとき、走り去ろ…

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 1995年

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