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評論・エッセイ

吉永小百合の映画 『大出世物語』

1961年の吉永小百合は日活で16本の作品に出演した。彼女の自伝『夢一途』には「意識や感情が薄れるほど殺人的なスケジュールの日々だったが皆がひたむきだった。日本全体がそんな時期でもあった」というように書いている。娯楽映画としての骨格すらおぼつかない作品が、毎週、日本全国で公開された。そんな日々に十六歳の少女は日本ぜんたいを感じ取っていたのだ、と僕は判断する。

底本:『吉永小百合の映画』東京書籍 二〇〇四年

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