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評論・エッセイ

東京のクリームソーダ

自分が撮った写真をつくづくと観察すると、まざまざとわかる。なにがわかるのか。食べることを絶対の中心にして日常は営まれているという事実だ。日常とは寂寞さそのものであり、寂寞さを見つめると、その内部には怖さがじっと潜んでいるのを感じる。日常とは寂しさと怖さ、ただそれだけ。あとに残るのは一杯のクリームソーダという謎だ。

底本:『東京のクリームソーダ』光琳社出版 一九九八年

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