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評論・エッセイ

マリリン・モンローについて考えをめぐらせる楽しさ

マリリン・モンローは女優であったけれど、カメラのための被写体、と呼んだほうがより正確であるような気がする。彼女は、自分に向けられているカメラのレンズに対して、その特性のありったけをひとつにしぼりこんで与えることに大きな熱意を燃やし、しかもそのことに関して大きな才能を持っていた珍しい存在だったからだ。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『なぜ写真集が好きか』太田出版 一九九五年
『本についての、僕の本』新潮社 一九八八年所収

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