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評論・エッセイ

身のうえ話 その2

大学を卒業した年の四月一日から三か月間、ぼくは毎日、会社にかよった。月曜から金曜まで、毎朝おなじ場所からおなじ電車に乗りこむ人たちの顔ぶれがほぼ一定していることに、まもなくぼくは気づいた。そのなかに、若い女性がひとり、いた——。

底本:『ターザンが教えてくれた』角川文庫 一九八二年

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